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★南アルプスへの道★ ~ Mt Kitaを目指して ◆ 前編 ◆ ~

公開日時 : 2008年10月21日

★南アルプスへの道★ ~ Mt Kitaを目指して ◆ 前編 ◆ ~

  いつも「北岳山頂情報~北岳山荘~」をご覧いただきありがとうございます。今回は実際に南アルプス市広河原から 秀峰 北岳を目指したらどんな感じなんだろう?景色はどんな感じかな!?という素朴な疑問にお答えすべく10月17日(金)18日(土)に南アルプスをこよなく愛する若者3人に情報提供をいただき、少しでも「南アルプス 北岳への道」がイメージしやすいよう、行程にそって楽しい登山の1コマをお届けしようと思います。いつもとチョット角度を変えた北岳山頂情報~北岳山荘~をお楽しみください。
 

【南アルプスへの道 ~Mt KITAを目指して ~ 】
  『登山計画書』 10月17日(金)18日(土)
   1日目 ①芦安地区臨時駐車場 ⇒ ②広河原 ⇒ ③広河原山荘 ⇒ ④大樺沢 
     ⇒ ⑤二俣 ⇒ ⑥上部二俣 ⇒ ⑦ 八本歯ノコル ⇒ ⑧北岳山荘 ⇒ ⑨中白根
     ⇒ ⑩北岳山荘(宿泊)
   2日目 ⑪北岳山荘 ⇒ ⑫北岳山頂 ⇒ ⑬肩の小屋 ⇒ ⑭小太郎分岐
     ⇒ ⑮御池分岐 ⇒ ⑯御池小屋 ⇒ ⑰広河原山荘 ⇒ ⑱広河原 
     ⇒ ⑲芦安地区臨時駐車場 

 10月17日(金) 早朝、時計は6時30分を過ぎたところ、南アルプス林道を行く乗り合いタクシーの中、車窓からの山々は鮮やかに赤や黄色に染まり始め、もうすぐ見頃という感じ、空はどこまでも青く、天気も天気予報のとおり崩れることはなさそうです。
 7時過ぎ広河原に到着後、紅葉を楽しみながらストレッチを入念に、そして・・・アミノバイタルを一袋!!広河原ゲート付近から目的地 北岳を臨み、いざ!北岳へ「くらいみんグぅー!!」と大樺沢の雪渓に向かい親指立ててPUSH!PUSH!お決まりのポーズを決めたところでいざ出発!!大きく揺れそうで思ったより揺れないつり橋を渡り、広河原山荘を右手に眺め、樹林帯に突入です。

◆ 見頃は数日後!?広河原の紅葉                ◆大きく揺れそうで思ったより揺れないつり橋
 鮮やかな紅葉の中、南アルプスの山々から流れ出る清流の冷たさを視覚と聴覚で想像し休憩の度、触覚で確認する。思わず口にしてしまった、あの日以来の「Beautiful!」。今までで最高の発音に自分自身もびっくり!!そんな行動を数回繰り返しながら 大樺沢 二俣を目指します。

◆ 樹林帯を流れる清流                     ◆ 登山靴の上からも冷たさを感じそう・・・
 木々の隙間からこぼれる光が強くなり始めるとそこは大樺沢。遠くには白い塊が見えます。あれは雪。まさしく広河原から見た北岳の一部、雪渓です。身近な!?目標物ができたのでひと踏ん張り。

◆ 大樺沢から見る雪渓                   ◆二俣までもう少し・・・早く雪にふれたいなぁ・・・
「雪ってこんなにPOWERくれるんだぁ」「俺ってこんなに雪好きだっけ!?」なんて自問自答に入りつつ、雪渓手前の二俣で休憩。周りの木々は黄金色に染まり、澄み切った空気をとおして見る空は日常のそれとは、まったく異なる『Real Blue!!』 心地よい風にいざなわれ、ここまでの道を思い返します。「ここまで最高!!」そう思いつつ「八本場ノコル」に睨みをきかせる「待ってろ!!ハシゴォ!!」とチョコレートを口に入れ、再出発。

     CHECK POINT 
       広河原 ~ 二俣までの標準タイムは3時間30分程。広河原からの樹林帯と異なり
       大きな岩が目立ち始めます。夏のシーズンは、このあたりから色鮮やかな高山植物
       に出会えます。

◆ 雪渓・上部二俣を目指して                    ◆ 雪渓到着、正面の山々は鳳凰三山系
 上部二俣からバットレスを臨み、日常では気付かない雲の速さに歓心を憶え、八本歯のハシゴを目指します。
「そろそろご飯じゃないのぉ~」なんて俗的なことも考えながら・・・。
   
◆ 八本歯を目指し陽光眩しい登山道を行く         ◆ 私の前世はもしかして!?カモシカかも・・・

◆ ハシゴの手前で一休み。鋭気を溜めて・・・          ◆ 存在感満点!ダイナミックなバットレス

        CHECK POINT 
       二俣 ~ 八本歯ノコルまでの標準タイムは2時間30分程。上部二俣から八本歯ノコルまでは
       キツイ登りが続きます。しかも…10以上のハシゴが掛かっています。「慎重に確実に一歩一歩」
       と自分に言い聞かせましょう!!ここを超えれば・・・

◆ 八本歯ノコルまでもう少し。                 ◆ 八本歯ノコルに到着。
 八本歯ノコルに到着。「うぉぉ~ぉ~!腹減ったぁ。絶壁じゃーん。」驚きと食欲が入り混じった感想の中、彼女が作ってくれたおにぎりとタコさんウインナー(目はゴマだし足も8本!!芸が細かいねぇ 気が利くね)と一人芝居をうちながらお湯の準備。インスタントラーメンとコンビ二おにぎりをザックから「♪ 山男ぉには惚れるなよぉ・・・ ♪」午後の行程に影響がないようテンションUP。やっぱり塩分不足の体にはラーメン最高!!日常のいわゆる「締めのラーメン」の比ではありません。是非、ご賞味あれ。

  ◆ シャッターCHANCE 雲間からの間ノ岳          ◆湧き上がる雲が景色に変化を与えてくれます 
 気持ちを切り変え、北岳山荘に向けて『いざ出発!!』歩き始めると、登山道に白く懐かしい感触!「サクサクサク・・・ってこれ雪じゃん!!ん!?新雪!?」最近、北岳に5回程雪が降ったそうですが前々日の雨で融けてしまい、日陰に少し残っていたようです。久しぶりの感触に大感激しながらハシゴと巨大な石の群落地を這い上がりトラバース分岐へ。
 
◆ お腹一杯!いざ北岳山荘へ               ◆ 遥か彼方に北岳山荘が見えてきました。 

 トラバース道を進み、ふと後ろを見ると先ほど昼食を取った八本場ノコル。また、左には富士山、前には間ノ岳を見ながら歩き続けると、前方に真っ赤な屋根の北岳山荘が見えてきました。
 狭い登山道と吹き上がる風に注意を払いながら、数ミリずつ大きくなっていく北岳山荘に向かいます。

◆ トラバース道からの八本歯ノコル(山稜一番低い場所)    ◆ トラバース道からの間ノ岳
 宿泊地北岳山荘に到着です。「北岳山荘に・・・キタァー(゜∀゜)ーー!(by山本高広)」なんてベタな事言ってしまったような・・・言わなかったような・・・安堵感で一杯です。北岳山荘に荷物を置いて、この勢いで北岳山頂へ!!と行程無視な発言はパーティーみんなに却下され、お散歩気分で間ノ岳を目指します。

     CHECK POINT 
       八本歯ノコルから北岳山荘までの標準タイムは1時間30分程。
       トラバース道の分岐を間違えると山頂へ行ってしまうので要注意です。
       夏のシーズンには、トラバース道周辺がお花畑となり登山者の目を楽しませます。
       その風景は「南アルプス 北岳の魅力」の一つです。

 ザックを背負ってないせいかスキップしそうな足取りにブレーキをかけながら、周りをきょろきょろ、ライチョウとの出会いを期待しつつ歩を進めます。「ブロッケン現象もおきないかぁ」なんて欲張りなことを思いつつ、中白根に到着。ライチョウ【悪天候(雷)時に現れる鳥だから雷鳥っていうんだよ。と誰かに聞いたような・・・】に会いたい気持ちが強すぎたのか辺りはモヤに包まれ、さっきまでの晴天が嘘のよう、太陽が雲に隠れ気温が下がり「うぉぉぉぉぉぉぉぉ、さ、寒い」と3人の口から・・・ 間ノ岳まではあきらめてUターンすることに満場一致。数日前に降った雪が残っている登山道に注意をしながら帰路につきます。とその前に雪といえば・・・作りたくなるのが心情です。しかも急いでいるのに渾身の出来にニンマリ。「また逢おう!!」なんて手を振ったりして。

◆ 中白根に到着。                      ◆あっという間に光をさえぎる雲に覆われました。 

◆ 子供心に火がついて・・・会心の作              ◆天候が悪くなりませんよう祈りながら・・・ 
 北岳山荘に15時過ぎに無事生還。でもモヤモヤしたのはあの時だけでした。「山の天気は変わりやすい」を身にしみて感じました。あと「女心と秋の空」も・・・。北岳山荘で本日の行程を振り返りながら親睦を図り、月明かりに照らされた雲海の素晴らしさに酔いしれ、明日の北岳山頂を楽しみに疲れた体を休めます。明日も晴れればいいぁ。
ZZZ~ あっ!!夕食は北岳山荘でお腹一杯食べました・・・ ZZZ~

◆ 山荘からの雲海                        ◆ 北岳山荘からの夜空 


 今回は若者3人パーティーの1日目の行程について紹介させていただきました。当日は天候にも恵まれ素晴らしい体験が出来たようです。積雪もところどころ残っていたようですがアイゼンなどの雪山装備は必要ないとのこと。ただし、今後、登山を計画される場合は、天候や気温により降雪・積雪は十分考えられます。出来るだけ最新情報を得ていただくためにも北岳山荘を含め現地山小屋への問い合わせが必要です。
 さてさて、次回は山頂に向かう2日目をご紹介させていただきます。