新緑まばゆい櫛形山中腹、遅い桜花を眺めながら向かうのは、神々が宿る高尾地区の穂見神社。地元の方は「湯立」とか「お湯ばな」と呼ぶ神事が行われました。
これは、古く神判の意味を有した「くがたち(盟神探湯)」神事に由来するものです。遥かな時を経て、神前に拝する時に身を清める意味に変化しながら今に至っています。
釜で沸かした熱湯を笹の葉で参拝者にかけるという、歴史と伝統に根ざした神事に立ち会い、身が引き締まる心地です。この素晴らしい伝統を、ぜひ後世に残したいものですね。

朱塗りの大鳥居と桜花の競演…お花見には丁度良い季節です。

笹の葉を煮えたぎる釜の湯に浸します。地域の方も神妙な面持ちでおはらいを受けます。

本殿。奥には全国的にも珍しい木彫りの狛犬がいます。桃園地区の彫り師、故長澤其山氏の彫刻です。